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U scope / Classico

0から再構築した聴診器

200年の歴史ある聴診器が現在の形となったことをリスペクトしつつも、原点に立ち返って「聴診器」を構成するそれぞれの要素を紐解き、一から構成し直すというデザイン工程を踏んでいった。
聴診器はいくつものパーツが複合的に組み合わさっているのだが、中でも重要なパーツであるチェストピース(患者の体にあてる部分)のデザインを一新した。一般的にチェストピースは指を固定して持つ持ち方のエルゴノミクス形状になっているものが多いのだが、現場のドクターにヒアリングしていくと想定外の持ち方で聴診するドクターがいた。実際にやってみると確かに聴診しやすい。それはチェストピースの軸を優しく持って回すように聴診するやり方だ。有機的でラウンドしている患者の体を手首を返すことなく指先の調整だけで聴診可能になる。この使い方をヒントに手首関節の良肢位も考慮して使いやすい形状にデザインした。そうすることでフレキシブルなエルゴノミクスデザインのチェストピースができた。

チェストピースと同様に重要なパーツであるイヤーピースを両耳にホールドさせる耳管のバネ強度だ。音が良く聞こえるためには両耳にしっかりとホールドされる必要があるが、一般的な聴診器は長時間使っていると耳が痛くなる。U scopeはそのバネ強度を再検証し、一般の聴診器よりも30%耳への圧力を軽減した。音も良く聞こえ、ズレ落ちることも無く、耳への圧迫感も解消されたベストな数値を探り出した。

U scope

チェストピースへと続くストレートのチューブと耳管とを繋ぐT字の箇所に180°回転するとロックがかかる開閉機構を採用している。これにより、使用しない際には内側に180°回転させて閉じることで一般の聴診器と比べて大幅にコンパクトにすることができる。そして使う際にはT字の箇所をまた180°回転させて開くことで使用可能となる。

聴診器は聴診しない時には首からかけたり、ポケットやしかるべき場所に収納するわけだが、その点に関しても新しいデザインを採用している。聴診と聴診の小休憩の間は首からかける場合が多い。一般の聴診器の耳管は「両耳にイヤーピースがズレ落ちずにホールドされるため」の形状であって、「首からかけることを前提としたデザイン」ではない。U scopeは「首からかけること“も”想定したデザイン」になっている。耳管の独特の3次曲線によって首への圧迫感を軽減し、デコルテラインに沿ったラウンド形状が着用時の美しさを際立たせている。

U scope
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U scope / Classico inc.

2016

Product

Product designer : HIROKI YOSHITOMI

Art director : YUHEI ITO (HAKUHODO Inc.)

Graphic designer : YUHEI ITO (HAKUHODO Inc.)

Copywriter : NOBUHIRO ARAI (TBWA HAKUHODO Inc.)

Photographer : FUMIHITO KATAMURA

Movie

Creative director : YUHEI ITO (HAKUHODO Inc.)

Art director : YUHEI ITO (HAKUHODO Inc.)

Copywriter : NOBUHIRO ARAI (TBWA HAKUHODO Inc.)

Director : NAOKI KUMAMOTO (EDP graphic works Co., Ltd.) + KANJI SUTO

Producer : GENKI YAMAOKA (TOHOKUSHINSHA FILM CORPORATION)

Director of photography : FUMIHITO KATAMURA

Music : TORU SASAKI (handsome tracks inc.)

Stylist : YUTA SEKI (HAKUHODO PRODUCT'S INC.)

Motion graphic designer : SINNOSUKE ARIMA (EDP graphic works Co.,Ltd.)

Hair make : SHINJI UGUMORI

Production manager : TAKUMA HORIUCHI (TOHOKUSHINSHA FILM CORPORATION)

Executive producer : Arata Ohwa (Classico inc.)

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